マズローの欲求5段解説の覚え方。6段階目の自己超越って何?
マズローの5大欲求。
有名な心理学者アブラハム・マズローが提唱した欲求は5段階のステップがあるというものですね。
正直、心理学専攻の学生以外は覚える必要もないと思いますが簡単な覚え方はあるのでしょうか?
マズローの欲求5段解説の覚え方。
覚え方ですが、5段解説の5段階自体に覚えずらい点は無いと思うので段階ごとの分け方さえしっかりと覚えれば簡単に覚えられると思います。
では、定番のこちらの画像をひとまずご覧ください。
では、各欲求について簡単に説明します。
生理的欲求
食べないと死ぬ。寝ないと精神が錯乱するから寝る。
安全の欲求
雨風をしのぐ家が欲しい。事故で死にたくない。危険なことから遠ざかりたい。
↓
もっと、良い家が欲しい。贅沢なものが欲しい。危ない目に遭いたくない。
社会欲求と愛の欲求
誰かに関心を持ってもらいたい。一人でいたくない。誰かに必要とされていると実感できる何かがしたい。
承認(尊重)の欲求
承認欲求の下
人から価値のある人間だと思われたい。上に見られたい。
承認の欲求の上
技能や能力を高め自立し自分を信頼したい。
自己実現の欲求
素晴らしい人生を歩みたい。世界は素晴らしい。
簡単に言うと5段階はこのようになっています。
より詳しく知りたい方や今一つピンとこなかった方はWikiを参照してください。
マズロー曰く、その段階まで上がっていない人にはその段階の事は分からないようなので実感がなくても言葉だけ理解していれば大丈夫です。
また、欲求の段階は下位の段階が満たされてから上の段階に上がると言われていますが、満たされるというのは100%と言う意味でなく、ある程度足りていれば次の段階に進むことが出来ます。
段階が上がるにつれより多くの充足感が必要になりますが、初めの生理的欲求に関しては20パーセントで満たされたことになります。
ギリギリ死ぬってところより少し上でもう満足してしまうようですね。
こうやって一つ一つ満たされる毎に上の段階に上がっていくというものがマズローの欲求5段解説ですね。
さて、肝心の覚え方ですが。
分け方が二通りありますね。
初めの図の通りなのですがまずは物質的欲求と精神的欲求という分け方。
初めの2段階は物によって満たされます。
後の3つの段階は目に見えないものに満たされますね。
よって、この二つの欲求は同じ5段階の中にありますがかなり異質のものとなります。
動物的な(生命に関わる)欲求が物質的欲求。
その後の精神的欲求は人間的な欲求となっています。
この人間的とか動物的とか言うところを理解してもう一つの分け方を考えるとよりわかりやすくなります。
欠乏欲求と存在欲求という分け方があります。
先ほどの物質的欲求からもう二つ足して社会的欲求と尊敬、評価の欲求まで含めたものが欠乏欲求です。
自己実現だけが存在欲求になりますね。
欠乏欲求は内側に向かう欲求だと言えます。
与えられて満たされる欲求ですね。
存在欲求は自分から外に発することが何かに影響を及ぼした時に充足します。
この2つの分け方を合わせて3つの段階にマズローの欲求5段階を分けることが出来ます。
1つ目が生命機能の維持。
生理的欲求と安全の欲求が入ります。
満たされないと命に関わります。
2つ目が自己満足の欲求。
社会的欲求と尊敬、評価の欲求が入ります。
生命の維持が保障されたので退屈になって余計な事を考え始めるのですね。
3つ目が社会貢献。
自己実現の欲求が入ります。
一通り満たされて世界が素晴らしいものに見えて来たのでその世界をもっと素晴らしいものにしようと努力します。
いかがでしょうか?いくつかの視点でマズローの5段階欲求説を見るとよりクリアに見ることが出来、理解しやすくなったのではないでしょうか?
ここで、もう一つ。
実は、マズローは晩年に欲求の段階はもう一つあると言っています。
6段階目の欲求。自己超越。
今までの5段階は最終的には自分の為でしたが、自己超越はそれすら乗り越えた段階です。
6段階目の欲求と言いましたが、欲求と言う言葉自体がそぐわない気もします。
自己超越とはこういうものです。
自己超越
「在ること」(Being)の世界について、よく知っている
「在ること」(Being)のレベルにおいて生きている
統合された意識を持つ
落ち着いていて、瞑想的な認知をする
深い洞察を得た経験が、今までにある
他者の不幸に罪悪感を抱く
創造的である
謙虚である
聡明である
多視点的な思考ができる
外見は普通である(very normal on the outside)引用:ウィキペディア
このような状態を第6の段階、自己超越と定義づけているようです。
自我を無くした状態ですね。
ざっくりと一言でまとめると他人の利益を自分の失うものをいとわずに追い求めることが出来る人という事になります。
自我という縛りから解き放たれて世界を良くすることが生きがいとなった人間とも言えそうです。
私は、まだその域まで全然達していないので想像の範疇を出ませんがいわゆる真理や悟りを得た状態と近いのかもしれませんね。
未来や世界を変えようとした偉人たちがこの域に入るのではないでしょうか?
イエス・キリストやマザー・テレサがわかりやすい例だと思います。
マズローはこの段階の人間が全体の2パーセントいると言っていますがそんなにいるのでしょうか?
こんなに多くはいない気がしますが…
だって、クラスに1人いるかいないかくらいの割合ですからね。
それだけいれば世界はもっといい方向に進んでいそうです。
さて、ここで少し残念なお知らせがあります。
マズローの欲求5段解説は説と言う言葉の通り、ただの一説にすぎません。
と言うのも、説を検証するために用意したサンプルの数は23人。
たったの23人です。
しかも、そのうち9人は歴史上の人物です。
この説を人間全てに当てはめるのは無理があるかもしれません。
マズローの欲求5段解説がなかなか頭に入らない原因はここにあると思います。
言ってることは分かるけどピンとこない。
つまり、腑に落ちないのです。
実際、この説が生まれたのはアメリカですが、他の文化圏では当てはまらないのではないか?という疑問が学会各所から上がっています。
私もこの段階に当てはまっていません。
初めの物質的欲求に関しては間違いないと思いますが(TVで何も食べなくても死なない人を見たことはありますがここでは考えません。)
自己実現までの3つは個人差や文化の違いが出てくるものではないでしょうか?
特に日本では安全欲求はもっと上の段階ではないか?と言われています。
自己超越に関しても一番高位の段階であることは間違いないとは思いますが、途中の段階をすっ飛ばしてその域に至ることもあり得そうです。
マズローの欲求5段解説はとても有名なものではありますが、だからと言って正しいかと言われると何とも言えないようです。
私が伝えたいのは、ただみんなが信じているからそれが正しいと思い込んでそれを覚えればいいという考え方だと本質を見失うという事です。
このマズローの説もすべてに無理やり当て嵌めようとするのではなく、一説として、1つの考え方として理解して有効に利用する。と言うスタンスが大切だと思います。
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